東京都が2月にリリースした公式アプリ「東京アプリ」。桜ウォーキングで500円分、森林整備で1000円分など、イベント参加でポイントがもらえる仕組みが話題となっています。 さらに、秋には都民に7000円相当のポイント付与も予定されていますが、その巨額な予算(799億円)には批判の声も上がっています。 一体、このアプリの狙い、そして課題はどこにあるのでしょうか?

「東京アプリ」でポイントゲット!イベント参加が楽しくなる?
「東京アプリ」は、イベントやボランティア活動への参加でポイントを獲得できる仕組みです。 東京都民以外も利用可能で、auPAYやd払いへの交換、水上バスチケットとの交換なども可能です。 取材では、子供向けのデジタル体験施設「くりらぼベース」でアンケートに答えるだけで100ポイントを獲得する利用者や、桜ウォーキングイベント「桜ウォーク2025」への参加で500ポイント獲得の告知がありました。
既にアプリを利用している人からは、「子どもが楽しんで、大人はポイントをもらえるのはいい」といった肯定的な意見も聞かれます。 500ポイント獲得可能な桜ウォーキングイベントに興味を持つ若者もおり、アプリをダウンロードするきっかけにもなっています。 埼玉県民からも「ポイントをもらえるなら参加してみようかな」という声が出ているなど、東京都民以外への波及効果も期待できそうです。
799億円予算の是非と課題:批判と専門家の見解
しかし、この「東京アプリ」にかかる予算はなんと799億円。 都議会では、この巨額予算への批判が噴出しました。「800億円も投じることは見過ごせない。物価高騰に苦しむ都民や事業者への直接支援に回すべきだ」という声も上がっています。 また、高齢者などスマートフォンを持っていない層への配慮も課題として指摘されています。
一方、第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は、ポイント還元による経済効果、地域イベントへの参加促進、地域経済への貢献といった効果を期待する一方で、個人情報流出や詐欺被害のリスクについても懸念を示しています。
東京都の対応と今後の展望
東京都は、デジタルに不慣れな人を対象としたスマホ相談会の拡充や、スマホを持っていない高齢者への購入費助成を検討しています。 しかし、799億円という巨額予算に見合う効果を上げられるのか、そして、個人情報保護などのセキュリティ対策を万全にできるのか、今後の東京都の対応が問われます。
この「東京アプリ」は、デジタル技術を活用した地域活性化の新たな試みと言える一方、その費用対効果や社会的公平性といった課題も多く抱えています。 今後、アプリの利用状況や経済効果、そして安全性に関する情報が注目を集めることでしょう。

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